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英語は、勉強していたほうがいい

8月末で、約二年間のアメリカ留学を終えようとしている私に、ウェブ上のコラム記載についての依頼が来た。看護のことでも、そうでなくても、書いてみませんか?と。留学中の二年間、ある雑誌で毎月エッセイを書いていたこともあり、書くこと自体はさほど問題ではなかったので、お引き受けすることにした。題材自由なコラムの場合、どういった内容がいいのだろうか・・・と、ひとしきり悩んでみた。悩んだ末、第1回目のコラムは・・・

「英語は、勉強していたほうがいい」ということについて、書いてみる。私は38歳にしてアメリカ留学に踏み切ったわけだが、それまでの間、英語が得意という言葉からは甚だ遠かった。25歳の時に英語の勉強兼ワーキングホリデーで、ニュージーランドに行ったが、その時も英語は散々で、思いっきり挫折感を味わい、6か月予定を3か月半で切り上げて帰ってきた。今回のアメリカ留学は、呼吸ケア分野の専門性を深めるため(呼吸療法学科に在籍:アメリカには呼吸療法士という国家資格がある)と、一度味わった英語への挫折感にリベンジするという二つの目的があった。

アメリカの大学に在籍して、当たり前だが、英語がある程度できなくては、授業にもついていけないし、病院実習なんてもってのほかである。この二年間で、英語について一番苦労したこと、それはLとR、VとB、thとSの発音の違いである。病院実習中に、患者さんに痰の色を聞きたくて、colorという単語を使うと、一発で聞き取れてもらえたことがなかった。スペルにLとRが入っていて、私が発音するとどうやら全然違った単語に聞こえるらしい。ルームメイトでありクラスメイトである23歳のネイティブに、この出来事を話すと、その時もcolorという単語を理解してもらうのに、時間を要する始末。そもそも、LとRの発音の違いを聞き取れていない(頭の中に正しい音が無い、日本語の音を作る過程では、そもそもこの音が無い)ので、発声することは難しいのだ。これに加えて、今でも笑い話だが、ルームメイトと何味のアイスクリームが好きか?という話題になり、バニラだよと答えると、「What?Banana?」と真面目に復唱され、え?私バニラって言ったよね?と、自分で自分を疑う始末。幾度となくLやR、VやB、thの発音を練習してきたが、その度に表情筋が攣りそうになった。日本語で普段使っていない顔と口の筋肉を使っているからだ。「おしい、近いよ、その発音」と励まされても、どこが近いのか全くわからないから致命的だ。

結局のところ、日本にあるカタカナ読みは、正直、本当の英語や米語を習得するときに邪魔になるだけだということに、考えが行きついた。子供のころに、カタカナではない本当の英語発音とアクセントに慣れている(頭の中にその音を聞き分けられる状態がある)状況を作っておかなくては、歳をとってからその音を聞き分けられるというのは、かなり難しいことなのだろう、と自分を慰めてみる。これから英語圏へ留学したいと思っている方に、私の経験を通して一つだけアドバイスできるとすれば、それは、「日本語のカタカナを話す時、英語の発音でそのカタカナを話す癖をつけた方がいい」ということだ。一見、タレントのルー大柴さんみたいだが、あの状態の方が、留学先で発音に困ることは少ないかもしれない。

 

Boise state university, Department of respiratory care 学生/集中ケア認定看護師
戎 初代

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